委員長 挨拶
平成21年度からAPMC(Asia Pacific Microwave Conference) 国内委員会の委員長となりました東京理科大学の村口正弘です。どうぞ宜しくお願いいたします。
APMCはアジア太平洋地区で毎年開催される大規模な国際会議で、北米地区で開催されるIMS (International Microwave Symposium)、欧州で開催されるEuMC (European Microwave Conference) と共に、世界における3大マイクロ波会議の一つと称されています。開催時期も、APMCの12月に対して、IMSが6月、EuMCが9月と適度な間隔を保っており、世界的な活動を行うマイクロ波研究者の有益な発表の場を提供しております。
第1回目のAPMCは1988年にインドで開催され、今まで、中国、日本、オーストラリア、台湾、韓国、シンガポールなど、数多くのアジア諸国で開催されてきております。日本では1990年の初回開催以来、94年、98年、02年、06年と4年毎に開催されてきました。そして、次回は2010年の横浜での開催となっており、既に、開催に向けた準備が着々と進められております。
APMC国内委員会は初回の日本開催を契機に設立され、4年毎のAPMC日本開催を円滑に行うための準備を行うと共に、日本で開催されない途中の3年間に、MWE (Microwave Workshops and Exhibition) を開催して、不断のマイクロ波技術の普及に努めてまいりました。その成果は、近年のMWEの登録者数6千人、延べ参加人数1万人を超える盛況となって表れています。このMWEではマイクロ波技術、無線通信技術、EMC技術などに関する基礎講座や最新の話題を取り上げたワークショップを数多く開催すると共に、マイクロ波関連の企業展示、マイクロ波技術の歴史展示/システム展示、さらには大学研究室の展示紹介なども行っております。
APMC国内委員会は、今後もAPMC及びMWEの開催準備や運営、またマイクロ波技術者の育成を長期的視点に立って執行していく組織としての役目を果たしていきます。また平成19年10月から、電子情報通信学会エレクトロニクスソサエテイの研究技術会議にもオブザーバ参加し、さらに平成20年6月からは正式メンバーとして参加しております。そして、本国内委員会は全てマイクロ波技術を深く愛し、その進展を願って止まない人々のボランティア活動によって支えられていることをお伝えしておきたいと思います。またアジア各国のAPMC開催に際しては、会議準備運営の仕組みや論文査読作業などのサポートも、ISC (International Steering Committee:国際運営委員会) を通じて積極的に行っていこうとしております。
マイクロ波技術はユビキタス社会、高度情報通信化社会に向けたITC技術を支える重要な柱です。デバイス技術、回路技術、システム技術さまざまなレベルでのマイクロ波技術の新たな発展、展開、発掘、融合、伝承に、我々APMC国内委員会はこれからも積極的に貢献していきたいと考えております。
APMC 国内委員会
委員長 村口 正弘 (東京理科大学 工学部 電気工学科 教授)