開会式 ・ 基調講演 ・ 特別講演
開会式 Opening Ceremony
実行委員長挨拶
Welcome Message from the Steering Committee Chair二川 佳央 (国士舘大)
基調講演 Keynote Address
エコ社会の創造に向けたマイクロ波技術
Microwave technologies to achieve an Ecological Earth and Environment野島 俊雄 (北海道大 教授)
ユビキタス世界は、無線アクセスを積極的に利用した、地球的規模の巨大な情報通信ネットワークが可能にする。膨大な数の無線基地局と端末が必要であり、それらが環境に与える様々な負荷は、総量としてもはや無視できない。例えば日本での総消費電力は、既に原子力発電所1基分相当に達している。無線機の消費が占める割合が大きく、マイクロ波回路・装置・システムの高効率化技術の重要性がより一層高まっている。
本講演では、エコ社会の創造に向けたマイクロ波技術について、講演者が携わった事例を中心に高効率増幅器・無線機構成法を紹介するとともに研究開発の現状と今後の動向を概説する。
略歴:
昭和47年 埼玉大学理工学部電気工学科卒業
昭和49年 北海道大学大学院工学部修士課程修了
日本電信電話公社電気通信研究所(現NTT)入社
(株)NTTドコモ電波環境特別研究室長を経て
平成14年 北海道大学工学部大学院教授
平成18年 現職〜
委員など:
電子情報通信学会北海道支部評議員、IECエキスパート委員、総務省「情報通信審議会」専門委員、北海道電波適正利用推進員協議会会長、電波産業会「電磁環境委員会」委員長、スイス連邦工科大学IT'IS財団理事
表彰:
平成3年 科学技術庁長官賞「電力増幅器」
平成9年、18年、22年 電子情報通信学会論文賞
平成15年 総務大臣電波功績賞
平成18年 電子情報通信学会 Fellow Award
平成22年 総務大臣表彰
特別講演 Special Lecture
IKAROSによる世界初のソーラー電力セイルの実証から木星圏探査計画へ
Outlook and Issue of Radio Use in the 2010s − Strategy for Creating New Radio Industry−森 治 (宇宙航空研究開発機構)
「ソーラー電力セイル」は、セイル膜の一部に薄膜の太陽電池が貼り付けられており、ソーラーセイルによる推進と同時に太陽光発電も行う日本独自のアイデアである。
JAXAでは2010年にIKAROS計画において、世界で初めてソーラー電力セイルの実証に成功した。IKAROSはスピンの遠心力を利用して200m2の大型膜面を展開・展張する技術実証型のミッションであり、セイル膜に太陽光を受けて惑星間軌道で加速・軌道制御を実現し、世界初のソーラーセイルによる航行を達成した。また、薄膜太陽電池による発電も実証した。
本論文では、IKAROSのシステムおよび運用成果について解説する。さらに、IKAROSの成果を踏まえた今後の展望として、ソーラー電力セイル探査機による木星・トロヤ群小惑星探査計画についても紹介する。
略歴:
1999年 東京工業大学 大学院理工学研究科 修士課程修了
東京工業大学 工学部 助手
2003年 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 助手
2007年 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 助教総務省 情報通信政策局 研究推進室長
2007年 宇宙航空研究開発機構 月・惑星探査プログラムグループ併任