テクニカルプログラム

基礎講座 (展示ホール内 特設会場)


12月08日 (水) 13:00-14:30

基礎講座 01

高周波増幅器設計の基礎 - パワーアンプを中心に -
吉増 敏彦 氏 (早稲田大学)
本講座では、高周波集積回路(RF IC)設計の初学者を対象とし、増幅器設計(パワーアンプを中心に)の基礎にフォーカスし、以下の内容を平易に解説する。

)トランジスタの小信号特性と安定性について
)小信号・狭帯域増幅器設計の基礎 (トランジスタが条件付き安定の場合について)
)パワーアンプ設計の基礎 (出力、効率、入出力整合回路の設計手法など)
                 )パワーアンプの線形性について (P1dBとOIP3、ピークファクタなど)
                 )まとめ

12月08日 (水) 15:00-16:30

基礎講座 02

分布定数線路モデルを用いたマイクロ波回路の考え方
古神 義則 氏 (宇都宮大学), 河合 正 氏 (兵庫県立大学), 真田 篤志 氏 (山口大学)
マイクロ波工学の初学者を対象とした初級講座です。
まず、マイクロ波受動回路を考察する上で、簡便で有効なツールとなる分布定数線路モデルを解説します。
次にその分布定数線路モデルを用いて、共振器、フィルタ、方向性結合器、電力分配器/合成器などの基本的なマイクロ波回路、 さらには左手系メタマテリアルなどを用いた高機能回路の伝搬特性・動作原理を考察します。
                 本講座により、これら各種マイクロ波受動回路内の電磁界や信号伝搬の様子をイメージする
                 センスを身に付けて下さい。

12月09日 (木) 11:00-12:30

基礎講座 03

ミリ波考学特論 - 基本的な考え方とその実態 -
黒木 太司 氏 (呉工業高等専門学校)
周波数が30GHzから300GHzと、広いスペクトラム域を有するミリ波電磁波の理解に は、電波と光双方の知識が必要になります。本基礎講座の前半はこの観点からミリ波 の講義を行います(チュートリアル)。
なおミリ波は、先行して実用化されたセンチ波 と光波の谷間に位置し、旧来より何度か華々しく開発プロジェクトが立ち上がりつつ も、決まって終焉を迎えるという歴史を繰り返してきました。講座の後半は、この悲 しき電磁波の実態と、それを如何に扱うべきかをテーマに、ご来場の皆様と議論し
                 て行きます(ディスカッション)。

12月09日 (木) 13:00-14:30

基礎講座 04

高速デジタル信号伝送技術とその評価の基礎
- デジタル伝送と高周波伝送における設計思考のギャップをうめる -
石原 昇 氏 (東京工業大学)
システム内のLSIチップ間やプリント基板間を伝送するデジタル波形の速度は10Gb/sを超える領域に達している。 このような高速伝送回路の設計評価では、接続配線を伝送線路として取り扱い、その減衰や群遅延、インピーダンス整合、 クロストークなどの周波数ドメイン特性を考慮した解析評価が不可欠で、これまで時間ドメイン設計を主としてきたデジタル回路設計者の新たな課題となっている。
本講座では、時間ドメイン特性と周波数ドメイン特性との関係を明らかにし、高速デジタル伝送回
                 路を設計評価するための基本的な考え方を講義する。

12月09日 (木) 15:00-16:30

基礎講座 05

発振回路の基礎 - NINOの概念とインポート行列法 -
大平 孝 氏 (豊橋技術科学大学)
単一LC回路の共振周波数が1/2πであることは 電気回路の教科書ですぐにみつかる。これが実際の高周波共振回路とな るとLやCが複数含まれることがあり共振周波数公式がみつ からない。さらに、これに3端子能動素子を含む発振回路の設計となる とプロのエンジニアであっても回路シミュレータに頼ってしまうのが現 状だろう。複雑なトポロジをもつ回路の共振周波数や発振周波数を簡単 に求める方法はないものだろうか?
この講座では、与えられた回路図 から紙と鉛筆だけでその発振周波数ならびに発振に必要なデバ
                 イス利得を求める技を述べる。参加者は単に説明を聞くだけでなく、教室のホワイトボードや各自の
                 ノートで具体的な演習課題に挑戦することで確実な理解定着を目指す。

12月10日 (金) 11:00-12:30

基礎講座 06

新時代を切り開くマイクロ波エネルギー応用技術
二川 佳央 氏 (国士舘大学)
マイクロ波は、近年クリーンで高効率なエネルギー源として大きな注目を浴びています。 マイクロ波を熱源とすることにより、設定温度までの到達時間を短縮し、均一加熱を実現することが可能となります。 これによりセラミックスの高速焼結のみならず、新材料の合成、化学反応の高速化から製鉄に至るまで、工業・医療・科学分野で新しい応用が進められています。
本講座では、これまで通信分野で広く用いられてきたマイクロ波を、エネルギー・環境問題を解決する可能性を秘めた、 新たなエネルギーソースとして利用する考え方を身につけてください。

12月10日 (金) 13:00-14:30

基礎講座 07

上手に動かすマイクロ波回路の勘所
五十嵐 一文 氏 (日本無線(株))
マイクロ波回路技術に携わる学生や若手技術者を対象として、回路を上手 に動かすために必要な知識と考え方をわかりやすく説明する。実際に現場でよく使 われる回路を題材に、複雑で難解な式を避けて図表を用いながら、高周波技術の入 門段階にある技術者にセンスと想像力の向上を促す。特にグランドや電源、配線、 部品の影響など設計では見えにくく、試作の際にトラブルとなりやすい要素を重点 的にピックアップし、解説する。

12月10日 (金) 15:00-16:30

基礎講座 08

デジタルアシスト・アナログRF技術のためのデジタル回路設計再入門
小林 春夫 氏 (群馬大学)
微細CMOSでアナログRF回路を実現する際に、 デジタルアシスト・アナログRF技術が重要になってきている。
ここではアナログRF回路設計者に対して、そのために必要な 比較的小規模のデジタルCMOS回路 設計および信号処理技術のレビューを下記の内容で わかりやすく行う。

● トランジスタレベル デジタルCMOS回路
                 ● デジタルCMOS回路の性能
                     − 消費電力 − スピード
                 ● 同期回路設計
                 ● デジタル演算アルゴリズムとその回路実現