今年の基調講演は、京都大学生存圏研究所、石川容平先生による「マイクロ波ミラー衛星と海洋インバースダムを中核としたグローバルスマートグリッド構想」です。
今年のMWEコンセプト「マイクロ波技術の最前線と夢」に相応しい、壮大な構想をご講演いただきます。
石川先生「主役はマイクロ波だ!」
「海洋インバースダム」とは、海洋に建設する揚水式発電所を指します。従来の揚水発電は余剰電力を利用しダムに水をくみ上げ、その放水により発電しますが、海洋インバースダムでは、水をくみ上げ空になった「インバースダム」の空間に周りから海水を放水し、発電します。
このシステムをマイクロ波ミラー衛星(いわゆる宇宙太陽光発電衛星とは異なる概念)とリンクさせ、巨大なスマートグリッドを構築しよう、という構想です。「海洋インバースダム」のもつ巨大な位置エネルギー蓄積能力に注目した、まさに夢のエネルギーシステムです。
石川先生によると、「主役はマイクロ波!」であるとのこと。建設業界、電力業界を巻き込んだ巨大プロジェクトですが、夢の実現のためには、より高度なマイクロ波ビーム形成、非常に高い整合状態をもつアンテナおよびマイクロ波伝送などの技術革新が鍵となるようです。
携帯電話システムなどの普及に伴う爆発的な進歩の後、今や成熟期を向かえたマイクロ波技術は、社会インフラを支える重要な基盤技術としての地位を得ました。
「主役はマイクロ波!」というメッセージには、「その現状に甘んじることなく、一歩でも二歩でも前進を続けなければならない」というマイクロ波技術者への叱咤激励を感じます。
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