Microwave Workshop & Exhibition:Nov.28-30,2012 in Pacifico Yokohama,JAPAN

Workshop Program

パネルセッション


D [ システム ]

パネルセッション Panel Session

11月29日 (木)  10:40-13:30   ワークショップ メイン会場
新分野へ羽ばたくマイクロ波 −期待と要望−
Microwave Technologies Are Flying Ahead to a New Horizon -Hopes and Expectations-
オーガナイザ / 司会 : 黒木 太司 (呉高専)
マイクロ波は、通信や放送をその主な活躍の場としているが、近年になり、その利用技術の裾野は広がりつつあるといえる。
かかる状況を踏まえ、本パネルセッションでは医療、農業、疫学、化学、交通システムの観点からマイクロ波への期待と要望をご講演頂き、新たなマイクロ波産業の可能性について討論する。

1てんかん外科治療を変えるマイクロ波
Microwave Technology Advancing Surgical Treatment for Epilepsy
山川 烈 (FLSI / 九州工大 名誉教授)
薬の全く効かない難治性てんかん患者に残された最後の道は、脳内の病根を切除することである。その位置と大きさを推定するために、頭蓋内に多くの電極を埋め込み、それらの信号線を束ねて、ベッドわきのコネクタに接続し、約2週間の脳波記録を行う。その間、患者は、ベッドにつながれ低いQOLを強いられる。この低いQOLを、「マイクロ波給電」と「マイクロ波データ通信」の技術が飛躍的に高めてくれることは間違いない。

2ミリ波パッシブ計測法による糖度測定 −果実糖度計測などへの応用−
Sugar Content Estimation Based on Passive Millimeter-wave Measurement Technology
-An Application to Measure Fruit Sugar Content-
水野 皓司 (東北大)
果実より自然に放射されている熱放射のうちミリ波領域の放射強度を測定することによって、果実の糖度を推測することができる。その原理は、果実糖度の変化によって、果肉の誘電率が変わり、それが放射率、ひいては放射強度の変化に結びつくことに基づいている。
講演では、原理と実際の測定方法などについて述べる。

3安全と省エネルギーに資する無線センサネットワークシステムの開発
Development of Wireless Sensor Network Systems for Safety and Energy Saving
岡田 浩尚、野上 大史、小林 健、伊藤 寿浩 (産総研)、増田 誉 (東大)
LSI やセンサの小型化、低消費電力化技術の開発により、長期間連続動作が可能な小型無線センサ端末が実現されている。
本発表では、無線クランプメータを用いた電力モニタリングシステムと、体温と活動量の計測が可能な端末を用いた鶏舎における鳥インフルエンザの早期発見システムについて紹介する。

4化学分野でのマイクロ波利用
Application of Microwaves in Chemistry
西岡 将輝 (産総研)
当初は、調理用電子レンジで行われていた、マイクロ波照射による化学反応促進に関する研究も、有機合成、固体触媒反応、固相反応など様々な反応形態に適したマイクロ波照射技術が提案され、一部は実生産に利用され始めている。
マイクロ波エネルギを物質生産に利用した場合の利点と、その応用例を紹介するとともに、この分野の発展に必要なマイクロ波技術への要望などを取り上げる。

5ワイヤレス電気自動車 −タイヤ経由RF変位電流によるゼロギャップ走行中給電−
Via-Wheel Wireless Power Transfer to Running Electric Vehicles -RF Displacement Current from Electrified Roadway-
大平 孝 (豊橋技科大)
エネルギ節約と地球温暖化の視点から電気自動車への期待が大きい。しかし現在のバッテリ100%の電気自動車は普及に限界がある。本パネル講演では電気自動車の行動範囲を飛躍的に拡げる「走行中給電」の概念を述べる。タイヤと路面が常に密着していることに着眼し、路面下に埋設した電極からRF変位電流を 与える「ゼロギャップ」方式を提案する。空中を介するワイヤレス送電方式に比べて高効率低漏洩が達成できる。
企画展示ゾーンにてアスファルト路面からタイヤ車軸への送電を実演する。

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